2024/12/06
5都市の実務担当者が東京都へ:上下水道事業施設及び研修センターを視察
G-NETS参加都市の実務担当者による共同プロジェクトの一環として2024年12月5日と6日の2日間、5都市の職員が東京都主催の上下水道施設の視察ツアーのために来日しました。参加者たちは両研修センターで実際に研修を体験し、充実した人材育成プログラムの構成と先進的な施設の重要性を認識しました。視察後には各都市が抱える課題について意見交換を行いました。
共通課題
- 老朽化する施設・設備の更新
- 気候変動に伴う洪水対策
主な視察先
【2024年12月5日】
・下水道局技術実習センター
大規模な道路工事をせずに下水道管の耐用年数を伸ばすSPR工法が東京都下水道局職員から紹介されたほか、参加者は実際の設備を再現した運転シミュレーションや人孔モデル等を体験。大雨や緊急時の迅速な対応方法や安全対策の実践方法が紹介されました。
・砂町水再生センター
6,153haの地域の下水を処理し東京湾に排水しています。
・南砂雨水調整池
過去に浸水を繰り返してきた江東区に建設された調整池。大雨を25,000㎥貯留でき、浸水被害の軽減をはかっています。地下調整池上に集合住宅等の公共施設を建設し、上部空間を有効活用している点に、参加者たちから質問が相次ぎました。
【2024年12月6日】
・砧浄水場
1日に4万立方メートルの水道水をつくる、国内でも有数の処理能力を持つ膜ろ過施設が紹介されたほか、東京都の年間配水量に対する漏水率が3%台という最高水準の低さを紹介しました。
・東京都水道局の研修・開発センター
海外からの研修生も受け入れている研修・開発センター。参加者たちは実際に漏水箇所を探す漏水探知訓練を体験し、熟練したスキルの必要性を再認識。漏水防止対策については積極的なヒアリングが行われました。また、同センターの技術指導者は「設備はもちろん、訓練する人たちが主体的に学べるようなプログラム構成も重要」と説明しました。
上下水道施設の老朽化対策は参加各都市共通の課題です。公共インフラだけでなく、民間セクターとのパートナーシップを通じてベストプラクティスを採用するための継続的なコミュニケーションと協調的な取り組みの重要性について議論しました。
参加都市
ダバオ、イスタンブール、新北、サンパウロ、ウランバートル(アルファベット順)